岐阜新聞 映画部

いま、どこかで出会える作品たち

Meet somewhere

当時の貴重な映像や音源を織り交ぜながら、モータウンの秘密に迫る

2020年11月15日

メイキング・オブ・モータウン

©2019 Motown Film Limited. All Rights Reserved

【出演】ベリー・ゴーディ、スモーキー・ロビンソン、ジョン・レジェンド、ブライアン&エディ・ホーランド、ドクター・ドレー、ニール・ヤング、ラモント・ドジャー、ジェイミー・フォックス、マーサ・リーヴス、スティーヴィー・ワンダー、メアリー・ウィルソン、ヴァレリー・シンプソンン、ジャクソンズ、オーティス・ウィリアムス
【監督】ベンジャメン・ターナー、ゲイブ・ターナー

一番気持ちいいのは、ベリーとスモーキーの今も変わらぬ友情

 モータウンが発掘し世界的なアーティストになったスティービー・ワンダー。洋楽に精通した首都圏出身の同僚に「東京では絶対チケットが取れない」からと誘われ、1982年10月、初の名古屋公演ライブ(愛知県体育館)に行ったときの感動を、私は今でも忘れない。その圧倒的な歌唱力で頭と身体はビートを刻み続け、バンドやコーラスのダイナミックなパフォーマンスに打ちのめされたのは昨日のことのようだ。一生の想い出である。

 11歳でモータウンと契約したスティービー・ワンダーといい、同じく11歳でメジャーデビューした私とタメ年のマイケル・ジャクソン(ジャクソン5)といい、創設者のベリー・ゴーディJr.の発掘能力は並外れている。

 しかし、本当に凄いのは、デトロイトの片隅の一軒家からスタートした黒人のベンチャー企業が、60年たった今も第一線のレーベルとして影響を与え続けていることなのである。

 本作は、ベリー・ゴーディ(90歳)と盟友スモーキー・ロビンソン(80歳)のトークをベースに、様々な関係者やミュージシャン達の証言と、当時の貴重な映像や音源を織り交ぜながら、正攻法でその秘密に迫っていく。

 ベリー・ゴーディは、自身が働いていたフォード・システムを音楽ビジネスに取り入れ、直感に頼らないシステマチックな制作方法を構築していく。才能の発掘、育成、管理、宣伝などの専門性を重視し、合議制をとる。彼の意見が通らないことは何度でもある。

 しかし、一方でファミリー的手作り感も決して疎かにしない。小さな一軒家の中で、企画、作詞、作曲、編曲、歌唱、レコーディングまで全部やることができる。全員、顔が見える関係なのだ。

 で、一番気持ちいいのは、ベリーとスモーキーの今も変わらぬ友情だ。この年になっても2人でイチャイチャしている。何とも羨ましい。お互いを認めること、これが成功の最大の要因なのだ。楽しくて、為になる映画である。

語り手:ドラゴン美多

中学三年の時に見た「日本沈没」「燃えよドラゴン」のあまりの面白さから映画の虜になって四十数年、今も映画から夢と希望と勇気をもらっている、ファッションチェックに忙しい中年のおっさんです。

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語り手:ドラゴン美多

中学三年の時に見た「日本沈没」「燃えよドラゴン」のあまりの面白から映画の虜になって四十数年、今も映画から夢と希望と勇気をもらっている、ファッションチェックに忙しい中年のおっさんです。

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