岐阜新聞 映画部

いま、どこかで出会える作品たち

Meet somewhere

"ジャズの帝王"の実像に迫るドキュメンタリー

2020年11月07日

マイルス・デイヴィス クールの誕生

【出演】マイルス・デイヴィス、クインシー・ジョーンズ、ハービー・ハンコック、カルロス・サンタナ ほか
【監督】スタンリー・ネルソン

貴重な音源を耳にすれば、きっとその全貌に触れたくなる

 マイルス・デイヴィスは1926年、イリノイ州オールトンに生まれたが、翌年すぐにイーストセントルイスに転居した。父は歯科医、母は音楽教師という裕福な家庭で育った。13歳の誕生日に父親からプレゼントされたトランペットを手にしたことが演奏を始めるきっかけとなり、15歳の時には、セントルイスのクラブに出演するようになった。当時のセントルイスは黒人労働者が多く、ジャズのライブが各所で行われ、多くの演奏に触れる機会を得ることができた。

 18歳の頃、セントルイスにライブ演奏に来た楽団のトランペッターの代役を務めることになり、チャーリー・パーカーと共演した。その後、ジュリアード音楽院に入学するが、チャーリー・パーカーへの心酔から彼の元に押しかけるかたちとなり、同じ部屋に住み演奏も共にするようになったため、ジュリアードは中途退学している。

 1958年に公開されたフランス映画『死刑台のエレベーター』(ルイ・マル監督)は、パリを舞台にしたフィルムノワール=犯罪映画だが、その音楽をマイルスが担当している。張りつめた緊張感あふれる冷たい映像に、哀調を込めた気怠い音のトランペットが重なる。マイルスは映像を見ながら即興で演奏し、映画音楽を完成させた。

 『マイルス・デイヴィス クールの誕生』は、数々の伝説のもと、ジャズの歴史に大きな足跡を残したマイルス・デイヴィスの波瀾万丈の人生を追ったドキュメンタリーである。

 音楽において、ジャズとは何かという定義の追求はあまり意味がない。あくまでも自由なのだ。

 パーカーのもとで始まった"ビバップ"は、クール・ジャズへと変化する。これは白人音楽を取り込んだ固定概念からの逸脱を意味していたが、そこには躊躇はなく、マイルスにとっては新たな挑戦だった。その後も、ハード・バップ、モード、フュージョン、ロック、ヒップホップと様々な音楽世界へと歴史を更新していく。

 関係の深いアーティストたちや家族、友人の証言は、スリリングな人生と"ジャズの帝王"の創造への冒険を浮かび上がらせる。

語り手:覗き見猫

映画にはまって40数年。近頃、めっきり視力が衰えてきましたが、字幕を追う集中力はまだまだ大丈夫です。好きなジャンルは? 人間ドラマ…面白くない半端な回答…甘い青春映画も大好きです。

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語り手:覗き見猫

映画にはまって40数年。近頃、めっきり視力が衰えてきましたが、字幕を追う集中力はまだまだ大丈夫です。好きなジャンルは? 人間ドラマ…面白くない半端な回答…甘い青春映画も大好きです。

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