岐阜新聞 映画部

いま、どこかで出会える作品たち

Meet somewhere

敵も味方も、見ているこちらも騙される!

2017年12月15日

女神の見えざる手

©2016 EUROPACORP – FRANCE 2 CINEMA

【出演】ジェシカ・チャステイン、マーク・ストロング、ググ・バサ=ロー、ジョン・リスゴー ほか
【監督】ジョン・マッデン

見なきゃ損!
面白さ間違いなしの一本

 アメリカで政治判断に重要な影響を与えるロビイスト達。彼らはその法案の内容の是非よりも、巧みな戦術と多数派工作で特定の組織の利益の為に活動する。映画は、敵を出し抜き、味方もあざむき、見ているこちらも騙される、スリリングで痛快なポリティカル・フィクションの傑作だ。
 ワーカホリックの女性天才ロビイスト・エリザベス(ジェシカ・チャステイン)は、銃規制法案に反対するライフル業界からの依頼を一笑に付し、賛成する側の立場に立つロビー会社に移籍する。資金は敵の2億5000万ドルに対して、草の根の1500万ドル。民主主義が綺麗ごとだけでは無い事を百も承知な彼女は、あの手この手を使って法案を通すための工作をする。秘密の私的チームにはハッキングや盗聴をさせるは、トラウマを抱える銃被害者のチームメイトを無理やりテレビに出させるはやりたい放題。勝つためには手段を選ばない。恋する時間も惜しみ、性欲はエスコートボーイで済ませるなど、仕事以外はくそくらえだ。
 ザ・ブラックリスト(優秀脚本)から選ばれたジョナサン・ペレラによるオリジナル脚本のストーリーは、縦横無尽に伏線が張り巡らされ、1秒たりとての無駄のない展開が最後の最後まで続く。ラストの見せ場は、ここ数年では最高のカタルシスである。
 主演のジェシカ・チャステインは、カリスマ性を帯びたこのロイビストを颯爽と演じ、ジョン・リスゴーなどの脇役陣もしっかりと映画を支えている。面白さ間違いなしの一本だ。

『女神の見えざる手』は岐阜CINEXで12/16(土)より公開予定。

語り手:ドラゴン美多

中学三年の時に見た「日本沈没」「燃えよドラゴン」のあまりの面白さから映画の虜になって四十数年、今も映画から夢と希望と勇気をもらっている、ファッションチェックに忙しい中年のおっさんです。

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語り手:ドラゴン美多

中学三年の時に見た「日本沈没」「燃えよドラゴン」のあまりの面白から映画の虜になって四十数年、今も映画から夢と希望と勇気をもらっている、ファッションチェックに忙しい中年のおっさんです。

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