岐阜新聞映画部映画館で見つけた作品前田建設ファンタジー営業部 B! ハイテンション!奇想天外な実話? 2020年06月12日 前田建設ファンタジー営業部 ©前田建設/Team F ©ダイナミック企画・東映アニメーション 【出演】高杉真宙、上地雄輔、岸井ゆきの、本田力、町田啓太、山田純大、鈴木拓、水上剣星、高橋努、濱田マリ、鶴見辰吾、六角精児、小木博明(おぎやはぎ) 【監督】英勉 試される日本の技術見えてくる達成感の先には 2003年、前田建設工業の広報責任者アサガワ(小木博明)の突然の御乱心から始まる。 下心見え見えの様子でオフィスに顔を出したアサガワは、その片隅で憂鬱そうにパソコンに向かうドイ(高杉真宙)を標的に、「マジンガーZの格納庫を作れるか?」と独り言ならぬ、悪魔の囁きを発する。 冗談半分に受け流そうとしたドイだったが、そんな2人のやり取りを聞いていた同僚のベッショ(上地雄輔)やエモト(岸井ゆきの)、チカダ(本多力)がその話に食いついてくる。それぞれの持論を繰り出すうちに、話題は意外な盛り上がりを見せる。と、そのタイミングでアサガワの号令が轟く… 「うちの技術で、マジンガーZの格納庫を作っちゃおう!」 唖然とする一同をよそにアサガワは、会社の広報企画として"ファンタジー営業部“のホームページをウェブサイトに立ち上げてしまう。 前田建設工業は実在する企業で、アニメやゲームの世界観を空想上のものではなく、実際に建造物として具現化するという企画から始まった。ファンタジーの世界を現実化するという試みは、その工期、工費を正確に検証していくというもので、2003年にウェブ連載が始まっている。これにはバブル崩壊を経て、大型の建設プロジェクトがなくなってしまった業界の危機感に対する、カンフル剤的な発想を込めたものだった。 映画の脚本を担当した上田誠は、このサイトから着想を得て、2013年に舞台化している。 ダム、トンネル、発電所といった大型プロジェクトは、業界内部の事業縮小、コスト削減の機運に押され萎縮していた。この超現実的な話に、空想世界=ファンタジーは水と油にしか見えないのだが、その融合には情熱というハイテンションを正面からぶつけている。 映画のノリに乗り遅れると辛いが、企画立案の設計図は具体的で、リアルに迫ってくるから説得力はある。奇想天外の先にあるのは意外にも清々しい達成感なのだった。 語り手:覗き見猫映画にはまって40数年。近頃、めっきり視力が衰えてきましたが、字幕を追う集中力はまだまだ大丈夫です。好きなジャンルは? 人間ドラマ…面白くない半端な回答…甘い青春映画も大好きです。 100% 観たい! (12)検討する (0) 語り手:覗き見猫映画にはまって40数年。近頃、めっきり視力が衰えてきましたが、字幕を追う集中力はまだまだ大丈夫です。好きなジャンルは? 人間ドラマ…面白くない半端な回答…甘い青春映画も大好きです。 2024年09月26日 / どら平太 日本映画黄金時代を彷彿とさせる盛りだくさんの時代劇 2024年09月26日 / 潜水艦コマンダンテ 誇り高き決断 助けを求める人はもはや敵ではなく、ただの人間だ 2024年09月26日 / 潜水艦コマンダンテ 誇り高き決断 海の男たちが下す決断を描くヒューマンドラマ more 2018年05月23日 / 本渡第一映劇(熊本県) この町で映画を観たいという島の人々の声で復活した映画館 2024年06月05日 / shimane cinema ONOZAWA(島根県) 山陰の地方都市に復活した街の小さな映画館。 2019年07月17日 / 千石劇場(長野県) 長野県最古の鉄筋建築物として重厚な姿を残す映画館 more
試される日本の技術見えてくる達成感の先には
2003年、前田建設工業の広報責任者アサガワ(小木博明)の突然の御乱心から始まる。
下心見え見えの様子でオフィスに顔を出したアサガワは、その片隅で憂鬱そうにパソコンに向かうドイ(高杉真宙)を標的に、「マジンガーZの格納庫を作れるか?」と独り言ならぬ、悪魔の囁きを発する。
冗談半分に受け流そうとしたドイだったが、そんな2人のやり取りを聞いていた同僚のベッショ(上地雄輔)やエモト(岸井ゆきの)、チカダ(本多力)がその話に食いついてくる。それぞれの持論を繰り出すうちに、話題は意外な盛り上がりを見せる。と、そのタイミングでアサガワの号令が轟く…
「うちの技術で、マジンガーZの格納庫を作っちゃおう!」
唖然とする一同をよそにアサガワは、会社の広報企画として"ファンタジー営業部“のホームページをウェブサイトに立ち上げてしまう。
前田建設工業は実在する企業で、アニメやゲームの世界観を空想上のものではなく、実際に建造物として具現化するという企画から始まった。ファンタジーの世界を現実化するという試みは、その工期、工費を正確に検証していくというもので、2003年にウェブ連載が始まっている。これにはバブル崩壊を経て、大型の建設プロジェクトがなくなってしまった業界の危機感に対する、カンフル剤的な発想を込めたものだった。
映画の脚本を担当した上田誠は、このサイトから着想を得て、2013年に舞台化している。
ダム、トンネル、発電所といった大型プロジェクトは、業界内部の事業縮小、コスト削減の機運に押され萎縮していた。この超現実的な話に、空想世界=ファンタジーは水と油にしか見えないのだが、その融合には情熱というハイテンションを正面からぶつけている。
映画のノリに乗り遅れると辛いが、企画立案の設計図は具体的で、リアルに迫ってくるから説得力はある。奇想天外の先にあるのは意外にも清々しい達成感なのだった。
語り手:覗き見猫
映画にはまって40数年。近頃、めっきり視力が衰えてきましたが、字幕を追う集中力はまだまだ大丈夫です。好きなジャンルは? 人間ドラマ…面白くない半端な回答…甘い青春映画も大好きです。
語り手:覗き見猫
映画にはまって40数年。近頃、めっきり視力が衰えてきましたが、字幕を追う集中力はまだまだ大丈夫です。好きなジャンルは? 人間ドラマ…面白くない半端な回答…甘い青春映画も大好きです。