映画史に残る独創的な戦争映画の傑作
2020年04月21日
1917 命をかけた伝令
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【出演】ジョージ・マッケイ、ディーン=チャールズ・チャップマン、マーク・ストロング、アンドリュー・スコット、クレア・デュバーク、リチャード・マッデン、コリン・ファース、ベネディクト・カンバーバッチ
【脚本・製作・監督】サム・メンデス
これほどまでに長回しで撮る意味のある作品はなかった
アカデミー賞の本命と目されながら、『パラサイト 半地下の家族』に敗れ、作品賞を逃したサム・メンデス監督の『1917 命をかけた伝令』は、第一次世界大戦の最前線を舞台にした戦争映画の傑作。
これまでもワンシーンワンカットの長回し撮影が印象的な映画は何本もあったし、『バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』のように全編をワンカットで撮ったかのような作りの作品もあった。しかし、『1917 命をかけた伝令』ほどに、長回しで撮ることに意味のある、全編をワンカットで撮ったように見せる手法が必要不可欠だと思わせる作品はなかったと思う。
伝令として危険な任務を追行する若い兵士にカメラが寄り添い続けることで、時間の経過とともに、彼らが目撃し体感する地獄のような戦場を、観客にも疑似体験させるこの作品は、『プライベート・ライアン』や『プラトーン』など、最前線の戦場を描いた戦争映画の傑作群に引けを取らないばかりか、他に類を見ない独創的な戦争映画として映画史に名を残すだろう。
サム・メンデス監督の演出プランを見事に作品に結晶させた、撮影監督ロジャー・ディーキンスらスタッフとエキストラも含めたキャストに称賛の拍手を贈りたい。
語り手:井上 章
映画鑑賞歴44年。出来る限り映画館で観ることをモットーとし、日本映画も外国映画も、新作も旧作も、ジャンルを問わず観てきたおかげか、2006年に、最初の映画検定1級の試験に最高点で合格しました。
語り手:井上 章
映画鑑賞歴44年。出来る限り映画館で観ることをモットーとし、日本映画も外国映画も、新作も旧作も、ジャンルを問わず観てきたおかげか、2006年に、最初の映画検定1級の試験に最高点で合格しました。