岐阜新聞映画部映画館で見つけた作品パラサイト 半地下の家族 B! 最高の娯楽映画であり深遠な芸術映画でもある傑作 2020年04月19日 パラサイト 半地下の家族 ©2019 CJ ENM CORPORATION, BARUNSON E&A ALL RIGHTS RESERVED 【出演】ソン・ガンホ、イ・ソンギュン、チョ・ヨジョン、チェ・ウシク、パク・ソダム、イ・ジョンウン、チャン・ヘジン 【監督】ポン・ジュノ ビジュアルコンセプト、ストーリー展開、演技のアンサンブル…すべてが素晴らしい 外国語の映画として初のアカデミー賞の作品賞を受賞し、併せて監督賞、脚本賞、国際映画賞の合計4部門受賞の快挙を成し遂げた韓国映画『パラサイト 半地下の家族』は、格差社会をテーマに、ブラックユーモアを基調として、時にはスリリングに、時にはショッキングに描いた社会派エンタテインメントの傑作である。 ポン・ジュノ監督は、デビュー作『ほえる犬は噛まない』から、すでに独創的なストーリーテリングで観る者を夢中にさせる才人であった。その後も、『殺人の追憶』、『グエムル 漢江の怪物』、『母なる証明』など傑作を連打。そんなポン・ジュノ監督のフィルモグラフィーの中でも、『パラサイト 半地下の家族』は群を抜く最高傑作と言えよう。 近未来の列車を舞台に格差社会を描いたハリウッド進出作『スノーピアサー』の列車の前後を、住居の高低に移し替えたビジュアルコンセプトの発想も素晴らしく、先が全く読めないストーリー展開にも唸らされる。さらに、これまでの作品同様、登場人物の配役が見事で、俳優の演技のアンサンブルにも魅了される。 アカデミー賞とカンヌ映画祭のパルムドール(最高賞)の両方を獲得したことでも分かるように、最高に面白い娯楽映画であると共に深遠な芸術映画でもある必見作! 語り手:井上 章映画鑑賞歴44年。出来る限り映画館で観ることをモットーとし、日本映画も外国映画も、新作も旧作も、ジャンルを問わず観てきたおかげか、2006年に、最初の映画検定1級の試験に最高点で合格しました。 100% 観たい! (6)検討する (0) 語り手:井上 章映画鑑賞歴44年。出来る限り映画館で観ることをモットーとし、日本映画も外国映画も、新作も旧作も、ジャンルを問わず観てきたおかげか、2006年に、最初の映画検定1級の試験に最高点で合格しました。 2023年12月08日 / 『インファナル・アフェア 4K』3部作 香港ノアールの代表作がスクリーンで甦る 2023年12月08日 / 『インファナル・アフェア 4K』3部作 4Kで蘇った、香港製フィルムノワールの傑作 2023年12月08日 / 映画(窒息) セリフは一切なくモノクローム、これぞ作家の映画だ more 2023年05月31日 / 【思い出の映画館】七ぶらシネマ通り(静岡県) 静岡市内にあった明治時代から続く映画館通り。 2022年06月22日 / 小山シネマハーヴェスト(栃木県) 遊園地の跡地に出来た商業施設で映画を観た後は… 2023年03月22日 / 渋谷TOEI(東京都) 東映初の直営館が69年の歴史に幕を下ろす。 more
ビジュアルコンセプト、ストーリー展開、演技のアンサンブル…すべてが素晴らしい
外国語の映画として初のアカデミー賞の作品賞を受賞し、併せて監督賞、脚本賞、国際映画賞の合計4部門受賞の快挙を成し遂げた韓国映画『パラサイト 半地下の家族』は、格差社会をテーマに、ブラックユーモアを基調として、時にはスリリングに、時にはショッキングに描いた社会派エンタテインメントの傑作である。
ポン・ジュノ監督は、デビュー作『ほえる犬は噛まない』から、すでに独創的なストーリーテリングで観る者を夢中にさせる才人であった。その後も、『殺人の追憶』、『グエムル 漢江の怪物』、『母なる証明』など傑作を連打。そんなポン・ジュノ監督のフィルモグラフィーの中でも、『パラサイト 半地下の家族』は群を抜く最高傑作と言えよう。
近未来の列車を舞台に格差社会を描いたハリウッド進出作『スノーピアサー』の列車の前後を、住居の高低に移し替えたビジュアルコンセプトの発想も素晴らしく、先が全く読めないストーリー展開にも唸らされる。さらに、これまでの作品同様、登場人物の配役が見事で、俳優の演技のアンサンブルにも魅了される。
アカデミー賞とカンヌ映画祭のパルムドール(最高賞)の両方を獲得したことでも分かるように、最高に面白い娯楽映画であると共に深遠な芸術映画でもある必見作!
語り手:井上 章
映画鑑賞歴44年。出来る限り映画館で観ることをモットーとし、日本映画も外国映画も、新作も旧作も、ジャンルを問わず観てきたおかげか、2006年に、最初の映画検定1級の試験に最高点で合格しました。
語り手:井上 章
映画鑑賞歴44年。出来る限り映画館で観ることをモットーとし、日本映画も外国映画も、新作も旧作も、ジャンルを問わず観てきたおかげか、2006年に、最初の映画検定1級の試験に最高点で合格しました。