岐阜新聞 映画部

いま、どこかで出会える作品たち

Meet somewhere

重厚なお屋敷で始まる豪華絢爛な物語

2020年03月14日

ダウントン・アビー

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【出演】ヒュー・ボネビル、ジム・カーター、ミシェル・ドッカリー、エリザベス・マクガバン、マギー・スミス、イメルダ・スタウントン、ペネロープ・ウィルトン
【監督】マイケル・エングラー

幾つもの話に魅せられる巧みな脚本構成

 『ダウントン・アビー』は2010年9月から、イギリスのITVで放送開始された人気TVドラマシリーズで、6シーズン、全52話があり、アメリカでも翌11年に放送が始まっている。日本では同年11月にスターチャンネルでの放映が最初で、14年春にはNHK総合で放送された。その時の副題は”華麗なる英国貴族の館“である。

 舞台となるのは1912~25年のイギリス・ヨークシャーの架空のカントリーハウス ”ダウントン・アビー“ で、エドワード朝以降の貴族であるグランサム伯爵クローリー家と、その使用人たちを描いている。当時の史実や社会情勢を背景にしており、タイタニックの沈没、第一次世界大戦、スペイン風邪の流行、アイルランドの独立運動などが物語に組み込まれている。

 映画版では巻頭、主要な登場人物を紹介する序幕が用意されている。物語の始まりは1927年で、テレビシリーズ終了1年半後となる。

 バッキンガム宮殿から手紙が発送される。それは、ジョージ5世とメアリー王妃の国王夫妻が、ヨークシャーへの孝行にあわせてダウントン・アビーを訪問し、宿泊するという通知だった。

 クローリー家は長老の伯爵の母バイオレット(マギー・スミス)を頂点とし、上流階級の華やかさを保ってはいるが、内状は愛憎絡み合う人間関係が一触即発の状態だった。

 舞台裏である使用人たちも、国王夫妻を迎えるという誇りと高揚感に包まれていたが、王室の使用人に縄張りを荒らされることになり、たちまちざわめき立つことになる。

 物語はスピーディーに展開し、登場人物も入れ替わり立ち替わりで、事前の復習がないと、役者の顔と役柄合わせに戸惑うかもしれない。

 しかし、それぞれのエピソードは興味深いものが多く、時代風俗や人間心理を巧みに絡める構成が素晴らしい物語性を生み出している。

 欲を言えば、テレビシリーズによる予習か、映画を再見する復習が必要と感じてしまう後悔が発生することか?

語り手:覗き見猫

映画にはまって40数年。近頃、めっきり視力が衰えてきましたが、字幕を追う集中力はまだまだ大丈夫です。好きなジャンルは? 人間ドラマ…面白くない半端な回答…甘い青春映画も大好きです。

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語り手:覗き見猫

映画にはまって40数年。近頃、めっきり視力が衰えてきましたが、字幕を追う集中力はまだまだ大丈夫です。好きなジャンルは? 人間ドラマ…面白くない半端な回答…甘い青春映画も大好きです。

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