岐阜新聞 映画部

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沖縄を考えるための指針となる記録映画

2019年10月22日

米軍(アメリカ)が最も恐れた男 カメジロー不屈の生涯

© TBSテレビ

【語り】山根基世、役所広司
【監督】佐古忠彦
【音楽】坂本龍一

ある政治家の記録を記憶として留める続編

前作『米軍(アメリカ)が最も恐れた男 その名は、カメジロー』の衝撃は今も記憶に新しい。政治に、そして政治家に白けきってしまっている現状で、瀬長亀次郎という熱血の人が沖縄に存在し、それを知ることができたことに素直に感動した。現在進行形の基地問題を他所ごととして押しやることなく、目線を同じくすることの重要性をあらためて痛感した。

 1907年、瀬長亀次郎は沖縄県島尻郡豊見城村(現・豊見城市)我那覇に生まれた。27年、医師を志し旧制第七高等学校(現・鹿児島大学)に入学したが、社会主義運動に加わったことを理由に放校処分となる。その後、丹那トンネル労働争議を指導したとして治安維持法で検挙され、懲役3年の刑で投獄された。沖縄朝日新聞の記者をしていた38年に、兵役召集を受け中国戦線に従軍。40年の復員後は沖縄毎日新聞の記者となった。

 敗戦は沖縄県北部の山奥で迎えたが、すぐに田井等市の助役に就任し、避難民の救援にあたった。46年、うるま新報(現・琉球新報)社長に就任。翌年、沖縄人民党結成に参加して、亀次郎の政治家としての本格的な活動が始まる。タイトルにもあるように、亀次郎が米軍に恐れられるきっかけとなったのは、52年に行われた第1回立法議員選挙でトップ当選後に開催された琉球政府創立式典で、宣誓を拒否したことによる。

 映画は、その瀬長亀次郎の人となりを、肉親をはじめ、彼の近くで時を共有した人々や、彼の影響を受け継ぐ人たちの証言をもとに肉薄していく。少し残念だったのは、映像として残されたものが少なく、沖縄の住民を巻き込んだ運動の様子は、残された写真と音声に頼らざるを得なかったことだろう。しかし、亀次郎の毅然としたぶれることのない信念は良く伝わる。

 ここに、続編『米軍(アメリカ)が最も恐れた男 カメジロー不屈の生涯』が完成した。監督はTBSアナウンサーの佐古忠彦が引き続き務めている。前作におけるペイントメント(心残り)を、家族の視点を加えてさらに深めた。

語り手:覗き見猫

映画にはまって40数年。近頃、めっきり視力が衰えてきましたが、字幕を追う集中力はまだまだ大丈夫です。好きなジャンルは? 人間ドラマ…面白くない半端な回答…甘い青春映画も大好きです。

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語り手:覗き見猫

映画にはまって40数年。近頃、めっきり視力が衰えてきましたが、字幕を追う集中力はまだまだ大丈夫です。好きなジャンルは? 人間ドラマ…面白くない半端な回答…甘い青春映画も大好きです。

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