岐阜新聞 映画部

いま、どこかで出会える作品たち

Meet somewhere

教育の神髄が判ってくるリアルな教育映画

2019年05月24日

12か月の未来図

©ATELIER DE PRODUCTION - SOMBRERO FILMS - FRANCE 3 CINEMA - 2017

【出演】ドゥニ・ポダリデス、レア・ドリュッケール
【監督・脚本】オリヴィエ・アヤシュ=ヴィダル

真の教育は画一的にはできない

 2018年サッカーW杯ロシア大会でフランスは優勝したが、代表の9割は移民にルーツをもつ選手だ。そういうお国柄の中、2017年に就任したマクロン大統領は、移民を含む貧困層の子どもたちへの教育支援を、国の政策の柱として重点的に取り組んでいる。

 本作はエリート校で教鞭をとる頭でっかちで上から目線のフランソワ(ドゥニ・ポダリデス)が、「底辺校へはベテラン教師を派遣した方がいい」とのたもうた事から、「ならお前やってみぃ」とありがたいご宣託を受けて、初めて教育の神髄とは何ぞやが判ってくる、生徒と一緒に教師も成長するリアルな教育映画だ。

 以前、私がPTAをやっていた時、校長先生から「学級崩壊をまねくのは新米教師よりベテラン教師の方が多い。それは過去の成功体験を押し付けるから。」と聞いていた。フランソワが優秀なのは、エリート校でのやり方をすぐに見直し、この学校に合わせた方法へ変更できた事である。真の教育は画一的にはできないのである。

 フランスの教育理念「言葉はすべての教科・学問の基礎である」を体現するように、フランソワは国語の教師であり、「ディクテ」と呼ばれる「書き取り」を学習の中心に持ってきている。その教科書が「レ・ミゼラブル」だなんて、素敵すぎる教材だ。

 肌の色も服装も様々な生徒たちの中でも、お調子者のセドゥは先生を一番困らせる。最初はその行為を怒っていたフランソワがだんだん金八先生みたいになってくるのは教育映画の鉄板ではあるが、ひとつの理想の提示として心地よく受け止める事ができる。

 「勉強なんて意味がない」と思っていた子どもたちが、学ぶことの面白さを知る。それはまさに、よき先生との出会いなのである。私事で恐縮だが、私が小学6年生の時の先生とは、今でも1年に1度クラス会でお会いしている。怖い先生だったけど今でも教えは忘れてない。

 教育の大切さがよく分かる素敵な映画である。

語り手:ドラゴン美多

中学三年の時に見た「日本沈没」「燃えよドラゴン」のあまりの面白さから映画の虜になって四十数年、今も映画から夢と希望と勇気をもらっている、ファッションチェックに忙しい中年のおっさんです。

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語り手:ドラゴン美多

中学三年の時に見た「日本沈没」「燃えよドラゴン」のあまりの面白から映画の虜になって四十数年、今も映画から夢と希望と勇気をもらっている、ファッションチェックに忙しい中年のおっさんです。

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