岐阜新聞 映画部

いま、どこかで出会える作品たち

Meet somewhere

育児に疲労困憊の女性のためのリアルファンタジー

2018年12月22日

タリーと私の秘密の時間

©2017 TULLY PRODUCTIONS, LLC. ALL RIGHTS RESERVED.

【出演】シャーリーズ・セロン、マッケンジー・デイヴィス ほか
【監督】ジェイソン・ライトマン

『ヤング≒アダルト』のトリオが再結集した女性映画の秀作

 『タリーと私の秘密の時間』は、監督ジェイソン・ライトマン、脚本ディアブロ・コディ、主演シャーリーズ・セロンの、『ヤング≒アダルト』のトリオが再結集した女性映画の秀作です。

 セロンが演じるのは新生児を含む3児(しかも長男はコミュニケーション障害を持つ)の母です。母親にのしかかる育児の負担がテンポよく、しかし、じっくりと時間をかけて描かれています。育児の大変さをこれほどリアルに描いた映画は少ないのではないでしょうか。そして彼女のもとに、兄が手配してくれた夜だけの有能なナイトシッターのタリーがやってきて・・・。

 この作品は、育児と家事に疲労困憊しているお母さんへのリアルファンタジーであり、その大変さをあまり理解していない男性への思慮に富んだテキストにもなり得る作品です。

 シャーリーズ・セロンが、産後間もない母親をリアルに演じるために、彼女がアカデミー賞主演女優賞を受賞した『モンスター』(2003)を超える18㎏の体重増加をしたとのこと。体を張った激しいアクション・シーンを自ら演じた『アトミック・ブロンド』に続き、驚くべき女優魂と言えましょう。

語り手:井上 章

映画鑑賞歴44年。出来る限り映画館で観ることをモットーとし、日本映画も外国映画も、新作も旧作も、ジャンルを問わず観てきたおかげか、2006年に、最初の映画検定1級の試験に最高点で合格しました。

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語り手:井上 章

映画鑑賞歴44年。出来る限り映画館で観ることをモットーとし、日本映画も外国映画も、新作も旧作も、ジャンルを問わず観てきたおかげか、2006年に、最初の映画検定1級の試験に最高点で合格しました。

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