岐阜新聞 映画部

いま、どこかで出会える作品たち

Meet somewhere

腕相撲で夢の再生を目指す孤独な男の感動話

2018年12月08日

ファイティン!

©2018 Warner Bros. Ent. All Rights Reserved

【出演】マ・ドンソク、クォン・ユル、ハン・イェリ
【監督・脚本】キム・ヨンワン

郷愁のなかに見えてくる様々な家族の絆の形

 インド映画が嫌いだ。インド映画と言えば、サタジット・レイ監督の重く暗い映画という先入観があって、娯楽映画大国のインド映画が日本でも観られるようになったころ、そのギャップに戸惑ったことがある。ヒット作を連発している最近では、インド映画は世間一般に浸透している。ところが、個人的には一向に馴染めない。好き嫌いの話になるので説得力のある説明はできないし、偏見なしに評価しようとする気持ちは肝に命じているのだが…。同じように、韓国映画も苦手だ。

 『ファイティン!』はアームレスリングに材をとったスポ根ものと、『瞼の母』のような古典的な母子ものという面を併せ持った韓国映画で、観る前から、いけない憶測があるにはあった。

 子供の頃にアメリカに養子に出されたものの、ひとりぼっちの孤独な人生を送ってきたマーク(マ・ドンソク)は、アームレスリングのチャンピオンを目指していたが、八百長疑惑をかけられて除名され、今はクラブの用心棒をしている。そこにジンギ(クォン・ユル)が現れ、韓国へ戻って、アームレスリングでてっぺんを目指そうと、言葉巧みに誘われる。お調子者のジンギを怪しいと感じながらも、マークはその話に乗る。挫折した夢への再挑戦、そして、郷愁と実母のことを知りたいという強い思いがその背中を押した。

 かつての実家を訪ね、そこに住む妹スジン(ハン・イェリ)とふたりの子供の存在を知る。ジンギはヤミ金とスポーツ賭博を営むチャンス社長にスポンサーを頼むが、その条件はマークが八百長をすることだった。

 物語の構図はいたってベタだが、所々にコミカルな味つけがあり、快調なテンポで見せる。アームレスリングの試合の迫力のなか、それぞれの家族の絆を感動的に描く演出力は見事!韓国映画にハマることもありか?

語り手:覗き見猫

映画にはまって40数年。近頃、めっきり視力が衰えてきましたが、字幕を追う集中力はまだまだ大丈夫です。好きなジャンルは? 人間ドラマ…面白くない半端な回答…甘い青春映画も大好きです。

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語り手:覗き見猫

映画にはまって40数年。近頃、めっきり視力が衰えてきましたが、字幕を追う集中力はまだまだ大丈夫です。好きなジャンルは? 人間ドラマ…面白くない半端な回答…甘い青春映画も大好きです。

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