岐阜新聞映画部映画館で見つけた作品1987、ある闘いの真実 B! 民主主義の大切さと獲得するための犠牲を鮮烈に描く 2018年11月17日 1987、ある闘いの真実 ©2017 CJ E&M CORPORATION, WOOJEUNG FILM ALL RIGHTS RESERVED 【出演】キム・ユンソク、ハ・ジョンウ、キム・テリ、ユ・ヘジン、ソル・ギョング、カン・ドンウォン 【監督】チャン・ジュナン 人間ドラマとしても半端ない面白さ 韓国国民が民主憲法実現を勝ち得た、1987年の民主化闘争を描いた実録映画である。 民主化が遅れた韓国では、政治的な映画が皆無に近い現在の日本とは違い、今も骨のある政治的な映画が作られて多くの観客の支持を受けていることが分かる。 軍事政権下の韓国で、警察の治安本部の尋問中にソウル大学の学生が死亡する。拷問による死を隠蔽しようとする警察と、真相を暴こうとする検事、新聞記者らの攻防がダイナミックに描かれる。韓国現代史の大きな転機となる民主化闘争、その立役者となった人々と出来事が生き生きと活写され、画面に釘付けにされる。 たくさんの登場人物が、目まぐるしいストーリー展開の中に埋没することなく、それぞれに存在感を自己主張しているので、人間ドラマとしても半端ない面白さだ。 民主主義のかけがえのない大切さと、それを獲得するための大きな犠牲や痛みを鮮烈に描いた社会派群像劇の傑作を生んだ、チャン・ジュナン監督及び俳優陣に拍手を送りたい。 語り手:井上 章映画鑑賞歴44年。出来る限り映画館で観ることをモットーとし、日本映画も外国映画も、新作も旧作も、ジャンルを問わず観てきたおかげか、2006年に、最初の映画検定1級の試験に最高点で合格しました。 100% 観たい! (9)検討する (0) 語り手:井上 章映画鑑賞歴44年。出来る限り映画館で観ることをモットーとし、日本映画も外国映画も、新作も旧作も、ジャンルを問わず観てきたおかげか、2006年に、最初の映画検定1級の試験に最高点で合格しました。 2024年09月06日 / 幸せのイタリアーノ 嘘からはじまるロマンチックコメディ 2024年09月06日 / 愛に乱暴 真面目に生きてきた女性が壊れる 2024年09月06日 / 愛に乱暴 人間の我慢の限界を描き、本質に迫った映画 more 2019年10月02日 / 中州大洋映画劇場(福岡県) ハリウッドにまで功績が知れ渡った博多にある老舗映画館 2017年12月06日 / 岐阜ロイヤル劇場(岐阜県) 昭和の薫りを色濃く残す商店街で古き良き時代の名画に触れる 2024年08月28日 / サツゲキ(北海道) 市民から愛された劇場が4つのミニシアターで復活。 more
人間ドラマとしても半端ない面白さ
韓国国民が民主憲法実現を勝ち得た、1987年の民主化闘争を描いた実録映画である。
民主化が遅れた韓国では、政治的な映画が皆無に近い現在の日本とは違い、今も骨のある政治的な映画が作られて多くの観客の支持を受けていることが分かる。
軍事政権下の韓国で、警察の治安本部の尋問中にソウル大学の学生が死亡する。拷問による死を隠蔽しようとする警察と、真相を暴こうとする検事、新聞記者らの攻防がダイナミックに描かれる。韓国現代史の大きな転機となる民主化闘争、その立役者となった人々と出来事が生き生きと活写され、画面に釘付けにされる。
たくさんの登場人物が、目まぐるしいストーリー展開の中に埋没することなく、それぞれに存在感を自己主張しているので、人間ドラマとしても半端ない面白さだ。
民主主義のかけがえのない大切さと、それを獲得するための大きな犠牲や痛みを鮮烈に描いた社会派群像劇の傑作を生んだ、チャン・ジュナン監督及び俳優陣に拍手を送りたい。
語り手:井上 章
映画鑑賞歴44年。出来る限り映画館で観ることをモットーとし、日本映画も外国映画も、新作も旧作も、ジャンルを問わず観てきたおかげか、2006年に、最初の映画検定1級の試験に最高点で合格しました。
語り手:井上 章
映画鑑賞歴44年。出来る限り映画館で観ることをモットーとし、日本映画も外国映画も、新作も旧作も、ジャンルを問わず観てきたおかげか、2006年に、最初の映画検定1級の試験に最高点で合格しました。