岐阜新聞映画部映画館で見つけた作品輝ける人生 B! 人生の達人たちに向けてエールを送ってくれる映画 2018年11月02日 輝ける人生 ©Finding Your Feet Limited 2017 【出演】イメルダ・スタウントン、ティモシー・スポール、セリア・イムリー 【監督】リチャード・ロンクレイン 昔懐かしいポップスと軽やかなダンスがココロを揺さぶる 故事成語に「老いては益々壮んなるべし」(後漢書馬援伝)という慣用句がある。「肉体は衰えても志は年齢に関係ないのだから、逆に年月の分だけ、より一層盛んになるべき」(ことわざ図書館)という意味である。本作は、このことわざを体現したかのように、順風も逆境も栄光も挫折も十分味わってきた人生の達人たちに向けて、もう一度初心に帰って「輝ける人生」を歩んでいきましょうとエールを送ってくれる。 州の警察部長を勤め上げた功績により、ナイトの称号をもらった夫。それにより専業主婦だった妻のサンドラ(イメルダ・スタウントン)は、自分の姓の前にレディを付けて呼ばれるセレブの仲間入りを果たす。日本的に言えば「内助の功」であるが、この映画は、それが人生の目的であったのか?と、分かりやすいストーリーで語りかけてくれる。 夫に浮気されて家出してきたサンドラは、姉のビフ(セリア・イムリー)と10年ぶりに再会し、彼女の家へ転がり込む。ビフは、お金は無いが自分の意志のままに行動し、人生を楽しく謳歌している。そんな姉と接するうち、傲慢でプライドだけは高いサンドラから、元々持っていたダンスへの情熱がくすぶりだす。まずは彼女が、人生の中でホップ(軽いジャンプ)するまでの過程が、面白おかしく描かれる。 続いて、サンドラが人生を一歩踏み出すステップの段階。ピカデリーサーカスでのゲリラライブやローマ公演のシーンは、昔懐かしいポップスと軽やかなダンスで、観客のココロを揺さぶってくる。私的には、ザ・ピーナツがカバーした「月影のナポリ」が流れ出した瞬間から、ますますこの映画の虜になってしまった。 そして最後は、フランスへ旅立とうとしている中古家具修理職人チャーリー(ティモシー・スポール)の船へ、エイッとジャンプしたサンドラのストップモーション。人生のホップ・ステップ・ジャンプ!運河の中へ落っこちないよう祈るばかりである。 語り手:ドラゴン美多中学三年の時に見た「日本沈没」「燃えよドラゴン」のあまりの面白さから映画の虜になって四十数年、今も映画から夢と希望と勇気をもらっている、ファッションチェックに忙しい中年のおっさんです。 100% 観たい! (6)検討する (0) 語り手:ドラゴン美多中学三年の時に見た「日本沈没」「燃えよドラゴン」のあまりの面白から映画の虜になって四十数年、今も映画から夢と希望と勇気をもらっている、ファッションチェックに忙しい中年のおっさんです。 2023年11月29日 / 私はモーリーン・カーニー 正義を殺すのは誰? 権力と闘う信念の女性の生き様で描く政治映画 2023年11月28日 / 私はモーリーン・カーニー 正義を殺すのは誰? モーリーンさんと権力側との闘いを描いた実話の社会派映画 2023年11月27日 / 燃えよドラゴン 劇場公開版4Kリマスター 私が人生の座右の銘にしている映画、『燃えよドラゴン』 more 2018年02月07日 / Cinema KOBE(兵庫県) 映画発祥の地で、映画を愛する常連さんに支えられ… 2020年06月10日 / ジストシネマ田辺(和歌山県) 紀伊半島の港町にある地元密着型の映画館 2018年11月07日 / 大川シネマホール(福岡県) 若者が魅力に感じる街にしようと立ち上げた映画館 more
昔懐かしいポップスと軽やかなダンスがココロを揺さぶる
故事成語に「老いては益々壮んなるべし」(後漢書馬援伝)という慣用句がある。「肉体は衰えても志は年齢に関係ないのだから、逆に年月の分だけ、より一層盛んになるべき」(ことわざ図書館)という意味である。本作は、このことわざを体現したかのように、順風も逆境も栄光も挫折も十分味わってきた人生の達人たちに向けて、もう一度初心に帰って「輝ける人生」を歩んでいきましょうとエールを送ってくれる。
州の警察部長を勤め上げた功績により、ナイトの称号をもらった夫。それにより専業主婦だった妻のサンドラ(イメルダ・スタウントン)は、自分の姓の前にレディを付けて呼ばれるセレブの仲間入りを果たす。日本的に言えば「内助の功」であるが、この映画は、それが人生の目的であったのか?と、分かりやすいストーリーで語りかけてくれる。
夫に浮気されて家出してきたサンドラは、姉のビフ(セリア・イムリー)と10年ぶりに再会し、彼女の家へ転がり込む。ビフは、お金は無いが自分の意志のままに行動し、人生を楽しく謳歌している。そんな姉と接するうち、傲慢でプライドだけは高いサンドラから、元々持っていたダンスへの情熱がくすぶりだす。まずは彼女が、人生の中でホップ(軽いジャンプ)するまでの過程が、面白おかしく描かれる。
続いて、サンドラが人生を一歩踏み出すステップの段階。ピカデリーサーカスでのゲリラライブやローマ公演のシーンは、昔懐かしいポップスと軽やかなダンスで、観客のココロを揺さぶってくる。私的には、ザ・ピーナツがカバーした「月影のナポリ」が流れ出した瞬間から、ますますこの映画の虜になってしまった。
そして最後は、フランスへ旅立とうとしている中古家具修理職人チャーリー(ティモシー・スポール)の船へ、エイッとジャンプしたサンドラのストップモーション。人生のホップ・ステップ・ジャンプ!運河の中へ落っこちないよう祈るばかりである。
語り手:ドラゴン美多
中学三年の時に見た「日本沈没」「燃えよドラゴン」のあまりの面白さから映画の虜になって四十数年、今も映画から夢と希望と勇気をもらっている、ファッションチェックに忙しい中年のおっさんです。
語り手:ドラゴン美多
中学三年の時に見た「日本沈没」「燃えよドラゴン」のあまりの面白から映画の虜になって四十数年、今も映画から夢と希望と勇気をもらっている、ファッションチェックに忙しい中年のおっさんです。