岐阜新聞 映画部

映画にまつわるエトセトラ

Rare film pickup

映画を観る時は、字幕派?吹替派?

2023年08月08日

字幕スーパー版と日本語吹替版

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CINEXで昨年5月に字幕スーパー版で上映された『ひまわり』が、今年8月日本語吹替版で再度上映される。

私が映画ファンになりたての頃は、外国映画はディズニーアニメなど一部を除いてすべて字幕スーパー版だった。テレビの洋画劇場でしか外国映画を観たことがなかった私は、中3の時に映画館で『燃えよドラゴン』と『ダーティハリー』の2本立てを日本語字幕で観て、大人の仲間入りを果たした気分がしたものだ。

2000年頃までは字幕版しかなかったが、シネコンが登場して以降、日本語吹替版が登場、少なくとも2001年暮れに公開された『ハリー・ポッターと賢者の石』の上映は、ほぼ半々になっていたと記憶する。

日本で初めて日本語字幕が付いたのは『モロッコ』(1930/1931キネ旬1位)である。「日本映画発達史」(田中純一郎著/中公文庫)によると、初期のトーキー映画には、活弁の説明を取り入れたり、吹替も試みられたが、「オリジナリティを害せず経費も少なく、文字を素早く読み取る習練さえ積めば、容易に理解することができる」うえ、興行的に大成功をおさめたことで、日本文挿入という方法が最も妥当だと決定づけられたそうだ。

アメリカやヨーロッパ、韓国などでは吹替版が当たり前のようだが、日本ではまだまだ字幕版で観る人が多いと思う。特に劇場での鑑賞本数が多いコアなファンは、少なくとも私の周りは字幕派が圧倒的だ。

私も出来るだけ字幕版で観るようにしているが、子どもが小さい頃は吹替版で観ていたし、いまでも時間の関係で吹替版を観ることがある。

現在の状況は、例えばシネコンのシネックスマーゴでは、『インディ・ジョーンズと運命のダイヤル』が字幕・吹替の両方、『スパイダーマン アクロス・ザ・スパイダース』『リトル・マーメイド』『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』は吹替のみの上映となっている。

字幕版の良さは、①監督が意図したままのオリジナルの音声で観られる、②俳優の生の声が聞ける、③わからないまでも外国語に触れられる。

吹替版の良さは、①画面や演技に集中できる、②要約でなくセリフのほぼ全量がわかる、など。

私のオススメは、最初は字幕版で観て、2度目は吹替版で観るという鑑賞法。子どもがいた頃は、結構こうやって観たものだ。一粒で2度美味しいのだ。

みなさんは映画館で観る時、字幕派?吹替派?どちら。

語り手:ドラゴン美多

中学三年の時に見た「日本沈没」「燃えよドラゴン」のあまりの面白さから映画の虜になって四十数年、今も映画から夢と希望と勇気をもらっている、ファッションチェックに忙しい中年のおっさんです。

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語り手:ドラゴン美多

中学三年の時に見た「日本沈没」「燃えよドラゴン」のあまりの面白から映画の虜になって四十数年、今も映画から夢と希望と勇気をもらっている、ファッションチェックに忙しい中年のおっさんです。

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