岐阜新聞 映画部

映画にまつわるエトセトラ

Rare film pickup

日本映画界の至宝、宇野祥平さん

2023年02月14日

てっぺん取った宇野祥平さんと私

©2022「銀平町シネマブルース」製作委員会

©山本直樹・小学館/「ビリーバーズ」製作委員会

私が宇野祥平さんを初めて観たのは、2007年7月、シネマスコーレで上映された前田弘二監督の伝説的自主映画『鵜野』(2005)である。図々しくて迷惑な友人役は驚くべきリアリティで強烈な印象を残した。舞台挨拶のあと、前田監督と共に喫茶店でお話させていただいたのは一生の思い出である。

その後も1シーンの出番から存在感のある脇役、ときに堂々の主役まで張り、現在までに200本以上の映画に出演。予期せぬシーンに出ている宇野さんに出会えるのが、私の映画ライフのこの上ない楽しみであった。

その宇野さんが徐々に世間に認知されてきて、ついに『罪の声』(2020)で、キネ旬・毎日・日アカなどの助演男優賞を受賞。私にとって初期から応援していた人がてっぺんを取ったのは、中日・浅尾のMVP、セカオワのレコ大受賞と同じレベルであり、わがことのように嬉しかった。

宇野さんは本当にたくさんの映画に出演されているが、2022年以降の出演作は以下の通り。

1月『前科者』(岸善幸監督)保護司の有村架純がバイトをしているコンビニの店長役。
4月『とんび』(瀬々敬久監督)昭和の男・ヤス(阿部寛)の知り合いのトクさん役。
5月『夜を走る』(佐向大監督)怪しげな自己啓発セミナーを主宰する美濃俣役。(未見)
7月『ビリーバーズ』(城定秀夫監督)無人島で暮らす怪しげな宗教的団体の議長役。
8月『アキラとあきら』(三木孝浩監督)竹内涼真が融資を担当する、倒産の危機の町工場の社長役。
8月『オカルトの森へようこそ THE MOVIE』(白石晃士監督)主人公たちを助けるスーパーボランティア役。(未見)
9月『さかなのこ』(沖田修一監督)。のんが通うおさかなショップの店長役。
9月『“それ”がいる森』(中田秀夫監督)相葉雅紀の農業仲間役。
11月『わたしのお母さん』(杉田真一監督)井上真央が勤務するスーパーの店長役。(未見)
1月『嘘八百 なにわ夢の陣』(武正晴監督)。箱偽造の達人・材木屋役。

まさに玉石混交である。

今回CINEX映画塾で上映する『銀平町シネマブルース』は、宇野さんがこよなく愛しているミニシアターが舞台。宇野さんは小さい頃から祖父に連れられて3本立ての名画座に連れて行ってもらったとのこと。ミニシアターは宇野さんのホームグランドだ。

宇野祥平さんはいまや日本映画界になくてはならない至宝である。

語り手:ドラゴン美多

中学三年の時に見た「日本沈没」「燃えよドラゴン」のあまりの面白さから映画の虜になって四十数年、今も映画から夢と希望と勇気をもらっている、ファッションチェックに忙しい中年のおっさんです。

©山本直樹・小学館/「ビリーバーズ」製作委員会

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語り手:ドラゴン美多

中学三年の時に見た「日本沈没」「燃えよドラゴン」のあまりの面白から映画の虜になって四十数年、今も映画から夢と希望と勇気をもらっている、ファッションチェックに忙しい中年のおっさんです。

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