岐阜新聞 映画部

映画にまつわるエトセトラ

Rare film pickup

60~70年代のアメリカ映画を牽引した好敵手

2022年11月14日

ポール・ニューマンとスティーブ・マックイーン

©1961 Twentieth Century Fox Film Corporation.

©1969 Twentieth Century Fox Film Corporation

私の青春時代のヒーローであった往年のハリウッドのスーパースター、ポール・ニューマンの代表作4本がリバイバル上映されている。

永遠のチャレンジャーを演じた傑作「ハスラー」、文芸映画の名優としての代表作「熱いトタン屋根の猫」、不屈の反権力のヒーローを演じた大傑作「暴力脱獄」、そして永遠に夢を追い続けたアウトローを演じた最高傑作「明日に向って撃て!」。

ポール・ニューマンが演じた数々のヒーローは、タフでガッツがあり、ユーモアとしなやかさも併せ持っていた。そして彼と同時代にアメリカ映画を牽引したもう一人のスーパースター、スティーブ・マックイーンもまたタフでガッツのあるヒーロー役を得意とした。

ふたりは正に好敵手といっていいライバル関係にあり、互いを意識するように似た役を演じた。

ギャンブラー映画の傑作「ハスラー」と「シンシナティ・キッド」。刑務所脱獄物の傑作「暴力脱獄」と「パピヨン」。収容所脱走物なら「脱走大作戦」と「大脱走」。ハードボイルド物なら「動く標的」と「ブリット」。アウトローの逃避行なら「明日に向って撃て!」と「ゲッタウェイ」。カーレースを描く「レーサー」と「栄光のル・マン」。黒澤明作品の西部劇版リメイクの「暴行」と「荒野の七人」。ロデオシーンのある現代西部劇の「ハッド」と「ジュニア・ボナー」。インディアンに育てられた主人公を演じた西部劇「太陽の中の対決」と「ネバダ・スミス」。完全犯罪を企む駆け引きの面白さなら「スティング」と「華麗なる賭け」。

そんな好敵手の二人は1974年の超大作「タワーリング・インフェルノ」で対等の共演を果たすのだが、実はポール・ニューマンの出世作「傷だらけの栄光」にスティ-ブ・マックイーンは端役で出ている。さらに、スティーブ・マックイーンが初めてアカデミー賞の主演男優賞にノミネートされた「砲艦サンパブロ」の監督が、「傷だらけの栄光」を撮ったロバート・ワイズというのも因縁を感じさせる。

語り手:井上 章

映画鑑賞歴44年。出来る限り映画館で観ることをモットーとし、日本映画も外国映画も、新作も旧作も、ジャンルを問わず観てきたおかげか、2006年に、最初の映画検定1級の試験に最高点で合格しました。

©1969 Twentieth Century Fox Film Corporation

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語り手:井上 章

映画鑑賞歴44年。出来る限り映画館で観ることをモットーとし、日本映画も外国映画も、新作も旧作も、ジャンルを問わず観てきたおかげか、2006年に、最初の映画検定1級の試験に最高点で合格しました。

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