岐阜新聞 映画部

映画にまつわるエトセトラ

Rare film pickup

映画館で観る以外でも映画は楽しめる

2020年05月13日

読む映画、聴く映画、見る映画

『愛がなんだ』上映&トークショーでの今泉力哉監督(左)と町山智浩さん(右)

オススメの映画本、ラジオ、配給会社への支援方法を紹介

 新型コロナによる緊急事態宣言を受け、映画館は全国的に休業中。巣ごもり生活をしている映画ファンも多いと思うが、映画館で観る以外でも映画は楽しめるのだ。

 まずは「読む映画」。映画本のことである。キネマ旬報は映画のベストテンに加え、2004年から「映画本大賞ベストテン」を選んでいる。その中から私が読んだお勧めの本を紹介する。

 「天才監督 木下惠介」(長部日出雄・新潮社・05年2位)。私が最も敬愛する名監督の生涯を克明に記した名著。人間の弱さ、反面にある怒り。鋭い分析は評伝の枠を超えている。

 「黒澤vs.ハリウッド 『トラ・トラ・トラ!』その謎のすべて」(田草川弘・草思社・06年1位)。映画史に有名な黒澤明降板事件。その真相に迫った懇親のノンフィクションであり、黒澤の名誉回復となっている。

 「あかんやつら 東映京都撮影所血風録」(春日太一・文藝春秋・13年2位)。熱き映画野郎たちの型破りな秘伝を、縦横無尽に語りつくしたノンストップフィクション。とにかく面白い。

 「スクリプターはストリッパーではありません」(白鳥あかね・国書刊行会・14年1位)。監督の傍につき映画の全てを記録してきたスクリプターが語る、面白おかしい激動の日本映画史。知らなかった実話が満載。

 続いて「聴く映画」。私が毎回楽しみにしている、映画評論家が語る本格的なラジオ番組を紹介する。2つとも東京のラジオだが、radikoのエリアフリーで聴くことができる。

 「赤江珠緒たまむすび-火曜日-町山智浩アメリカ流れ者」(TBSラジオ)。いま最も影響力のある映画評論家が、最新映画を徹底解説する。岐阜新聞映画部イベント『愛がなんだ』今泉力哉監督トークショーの際、本当の飛び入りで参加され、翌週の番組で紹介されたのは記憶に新しい。私の中では淀川長治さん以来、最も影響を受けている評論家である。

 「アフター6ジャンクション-金曜日-週間映画時評 MOVIE WATCHMEN」(TBSラジオ)。ラッパーでもあるライムスター宇多丸が、ガチャで当たった最新映画を自費で鑑賞し、リスナーからの感想を交え、詳細に分析する番組。理屈っぽさがすこぶる面白い。

 最後に忘れてはならないのが小規模な映画配給会社も苦境に陥っていること。Blu-ray・DVD&動画配信、どれでも配給収入に繋がることを知った。

 がんばろう!映画。守ろう!映画文化

語り手:ドラゴン美多

中学三年の時に見た「日本沈没」「燃えよドラゴン」のあまりの面白さから映画の虜になって四十数年、今も映画から夢と希望と勇気をもらっている、ファッションチェックに忙しい中年のおっさんです。

『愛がなんだ』上映&トークショーでの今泉力哉監督(左)と町山智浩さん(右)

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語り手:ドラゴン美多

中学三年の時に見た「日本沈没」「燃えよドラゴン」のあまりの面白から映画の虜になって四十数年、今も映画から夢と希望と勇気をもらっている、ファッションチェックに忙しい中年のおっさんです。

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