岐阜新聞 映画部

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ブルックリンの街が素敵なスクリューボール・コメディ

2024年05月08日

ブルックリンでオペラを

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【出演】アン・ハサウェイ、ピーター・ディンクレイジ、マリサ・トメイ、ブライアン・ダーシー・ジェームズ、ヨアンナ・クーリク
【監督・脚本】レベッカ・ミラー

アン・ハサウェイのファッションも見どころの一つ

『ブルックリンでオペラを』は、ファッショナブルでセンスのいい現代のスクリューボール・コメディである。

「スクリューボール・コメディ」は、1930年代初頭から1940年代にハリウッドで盛んに作られたコメディージャンルで、予測のつかない行動をとる登場人物、テンポのいい粋な会話、スピーディーで起伏の多い物語が特徴だ。

病的に清潔好きな売れっ子精神科医で「現世を捨てて尼寺へ」が夢のパトリシア(アン・ハサウェイ)と、前作が大コケし、それから5年間1曲も書けないうつ状態のオペラ作曲家スティーブン(ピーター・ディンクレイジ)の夫妻。ニューヨーク・ブルックリンに住むメンタル面に問題を抱えたセレブというとウディ・アレン映画のようだ。

この主人公に絡んでくるのが、夫妻のハウスキーパーで不法移民のマグダレナ(ヨアンナ・クリーク)と娘のテレザ(パトリシア・アークエット)、そして恋愛依存症のタグボートの船長カトリーナ(マリサ・トメイ)だ。

物語は、スティーブンがカトリーナと港のバーで知り合うところから始まる。カトリーナに誘われるまま彼女のタグボートに乗り込み、そのままベッドイン。理性を取り戻したスティーブンは船から逃げ出すも、インスピレーションが湧いてきて久しぶりに作曲ができるようになるという具合だ。

原題は“She came to me”で直訳すれば「彼女が降ってきた」となるが、これは劇中のオペラの題名でもあり、“She”は、アイデアが降ってきたミューズとしてのカトリーナでもある。

大人のロマンティック・コメディとして楽しめるが、アン・ハサウェイのファッションも見どころの一つだ。自宅のお掃除は真っ白な白衣に紫のゴム手袋、診察室では黒のシャツとペンシルスカート、そしてお出かけは角ばったサングラスに白やネイビーのコートといったいでたちだ。

ブルックリンの街も素敵な上質なコメディである。

語り手:ドラゴン美多

中学三年の時に見た「日本沈没」「燃えよドラゴン」のあまりの面白さから映画の虜になって四十数年、今も映画から夢と希望と勇気をもらっている、ファッションチェックに忙しい中年のおっさんです。

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語り手:ドラゴン美多

中学三年の時に見た「日本沈没」「燃えよドラゴン」のあまりの面白から映画の虜になって四十数年、今も映画から夢と希望と勇気をもらっている、ファッションチェックに忙しい中年のおっさんです。

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