岐阜新聞 映画部

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ブレイク前のビートルズに迫る、スター誕生物語

2024年08月22日

ザ・ビートルズの軌跡 リヴァプールから世界へ

©SHORELINE ENTERTAINMENT

【出演】アラン・ウィリアムズ、ピート・ベスト、アンディ・ホワイト、トニー・ブラムウェル、ノーマン・スミス、アラン・クレイン
【監督・脚本・製作】ボブ・カラザーズ

メジャーデビュー直前に解雇されたビート・ベストの証言も

ビートルズに関するドキュメンタリーは枚挙にいとまがないが、今年6月にCINEXで上映された『ジョン・レノン 失われた週末』は、ジョンの素顔が垣間見られる貴重なドキュメンタリー映画だった。

続いてこの夏上映されるのが『ザ・ビートルズの軌跡 リヴァプールから世界へ』だ。ファンの方ならよく知っている話かもしれないが、ブレイク前のビートルズのことが要領よくまとめられており、私でもとても興味深く観ることができた。

映画は、初期のビートルズが出演していたリヴァプールのクラブ「ジャカランダ」の若きオーナーで、彼らの初代マネージャー、アラン・ウィリアムズの回想から始まる。

ビートルズの初期のベーシスト、スチュアート・サトクリフと友人で同じ美大に通っていたジョン・レノンが、「ジャカランダ」のオーナー、アランと懇意になるのが女子トイレの修繕だったというのが面白い。

1960年に「ザ・ビートルズ」に改名、新しいメンバー(ポール・マッカートニー、ジョージ・ハリスン、ビート・ベスト)も加わり、ドイツ・ハンブルグ巡業をこなしながら、リヴァプールで人気に火がついてくる。当時英国最大のレコード会社デッカ・レコードのオーディションは失敗するも、2代目マネージャー、ブライアン・エプスタインにより1962年に「ラヴ・ミー・ドゥ」でメジャーデビューするまでが描かれる。

証言は、メジャーデビュー直前に解雇されたドラマーのビート・ベストや、新たに加わったリンゴ・スターの代わりにデビュー版の録音のみに加わったアンディ・ホワイト、初期から「ラバー・ソウル」までのチーフ・エンジニアを務めたノーマン・スミスら、初期のビートルズを知る人たちが続々と登場する。

そして当時のテレビ番組でのパフォーマンス映像や、コンサートのライブ映像もインサートされ、とてもわかりやすい構成になっている。

貴重なスター誕生物語である。

語り手:ドラゴン美多

中学三年の時に見た「日本沈没」「燃えよドラゴン」のあまりの面白さから映画の虜になって四十数年、今も映画から夢と希望と勇気をもらっている、ファッションチェックに忙しい中年のおっさんです。

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語り手:ドラゴン美多

中学三年の時に見た「日本沈没」「燃えよドラゴン」のあまりの面白から映画の虜になって四十数年、今も映画から夢と希望と勇気をもらっている、ファッションチェックに忙しい中年のおっさんです。

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